無人海洋プラットフォームを開発する英国の Kraken Technology は9日、Digital Transformation Capital Partners(DTCP)が主導するシリーズ B ラウンドで1億7,500万ドルを調達したと発表した。評価額は10億ドルに達し、いわゆるユニコーン企業の水準となった。このラウンドには British Business Bank、NATO Innovation Fund、Rheinmetall、Inocea Group、HICO、Thesiger Capital Group、BOKA Capital、Supernova Invest、Hakluyt Capital らが参加した。既存投資家の National Security Strategic Investment Fund(NSSIF)、SmartCap、Notion Capital、Speedinvest も株式への転換を行っている。現代の海洋安全保障は、沿岸域や紛争地域での監視・対応能力が問われている。従来の有人艦艇では、乗組員の安全リスク、長時間の哨戒維持、広大な海域のカバーといった課題がある。たとえば、数百キロにわたる排他的経済水域を24時間監視し続けるには、複数の有人船と交代要員が必要になる。敵対的な環境では乗組員を危険にさらすことになり、人員配置のコストも膨らむ。この課題に対し、Kraken は無人水上艇(USV)と無人水中艇(UUV)の設計・製造・運用で解決しようとしている。同社の主力プラットフォーム「K3 SCOUT」は、高速レースボートの設計思想を取り入れた高性能艇だ。K3 SCOUT の仕様ページでは、最高速度55ノット、航続距離650海里(25ノット時)という性能が示されている。モジュラー設計を採用しており、EO/レーダー/ソナーなどのセンサーやC5ISR装備など、ミッションに応じてペイロード(搭載機器)を差し替えられる。同社のプラットフォームは海軍作戦での前方哨戒・偵察、港湾・インフラ保護、洋上風力発電設備や海底インフラの点検・監視など、防衛から商業まで幅広い用途に対応する。無人のため、危険な海域での長時間任務でも人員リスクを低減できる。複数の艇を連携させる分散型艦隊として運用できる。リリースによると、同社は英国国防省、NATO欧州パートナー、米国特殊作戦司令部(USSOCOM)との契約を獲得している。USSOCOM からはOTA(Other Transaction Authority)契約として4,900万ドル規模の受注がある。量産体制についても、ドイツ防衛大手 Rheinmetall との合弁会社「Rheinmetall Kraken GmbH」を設立し、ハンブルクの Blohm+Voss 造船所で年間200隻規模の生産能力を構築中だ。via Kraken Technology