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日本のH3、「みちびき7号機」の軌道投入に成功 米宇宙軍センサーも搭載、7機体制は未完成
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財経新聞:最新ニュースフィード
日本のH3ロケットが「みちびき7号機」の軌道投入に成功し、GPSなど他国の測位衛星に依存しない測位システムの実現に向けて前進した。今回の打ち上げでは、インド太平洋地域の静止軌道周辺を観測する米宇宙軍の光学センサーも搭載された。ただし、2025年12月に「みちびき5号機」を喪失しているため、計画していた7機体制が完成したわけではない。■「みちびき7号機」の軌道投入に成功H3ロケット9号機は2026年8月11日午前4時23分31秒、日本の種子島宇宙センターから打ち上げられた。JAXAによると、ロケットは計画どおり飛行し、打ち上げから約29分4秒後に準天頂衛星システム「みちびき7号機」を正常に分離して、所定の軌道へ投入した。打ち上げ時の質量が約4.9トンの7号機は、準静止軌道で運用される計画だ。内閣府が2026年8月11日に公表した運用状況では、2号機、3号機、4号機、初号機後継機、6号機の5機が運用中で、7号機は試験や運用準備を行う段階にある。準天頂衛星システム(QZSS)、通称「みちびき」は、2010年9月に初号機が打ち上げられ、2018年11月から4機体制でサービスを開始した。GPSと一体で利用することで、日本の都市部や山間部など、上空の見通しが限られる場所でも安定した測位を実現することを目的としている。みちびきの衛星の一部は、軌道傾斜角が大きい楕円軌道である準天頂軌道を飛行する。日本付近で長時間にわたって仰角が高くなるため、低い角度から届く衛星信号が建物や山に遮られやすい場所でも、信号を受信しやすくなる。計画されている7機体制が確立されれば、日本上空から常に4機以上のみちびき衛星を利用できるようになり、GPSなど他国の衛星測位システムを使わない、みちびき単独での持続測位が可能になる。ただし、今回の7号機打ち上げによって、直ちに7機体制が完成したわけではない。2025年12月22日にH3ロケット8号機で打ち上げられた「みちびき5号機」は、予定の軌道に投入できず、その後喪失が確認された。このため、7号機が運用を開始しても、運用可能な衛星は計6機にとどまる見込みだ。内閣府は7号機について、所定の軌道への移動後、数カ月程度かけて試験などを実施し、運用を開始する予定としている。同時に、みちびきだけで測位できる7機体制を早期に構築し、さらに衛星1機が故障しても測位機能を維持できる11機体制の開発を加速する方針を示している。■高精度測位サービスはすでに提供中みちびきは、通常の衛星測位信号に加え、センチメータ級測位補強サービス(CLAS)や、サブメータ級測位補強サービス(SLAS)などを提供している。CLASは、国土地理院が全国に整備している電子基準点のデータを利用して補正情報を生成し、みちびきのL6D信号を通じて配信するサービスだ。対応する専用受信機が必要になるが、一定の利用条件を満たす場合、静止時で水平方向6cm以下、移動時で水平方向12cm以下の測位誤差を目標としている。CLAS自体は7機体制の完成によって新たに始まるサービスではなく、すでに日本国内向けに提供されている。主な利用分野として、測量、情報化施工、農機の自動走行などが想定されている。一方、アジア・オセアニアの広い地域を対象とする高精度測位補強サービスは「MADOCA-PPP」であり、CLASとはサービス範囲や方式が異なる。したがって、CLASがオーストラリアや東南アジア、太平洋島嶼国にセンチメートル級測位を提供するとの説明は正確ではない。■米宇宙軍の光学センサーを搭載みちびき7号機には、測位関連の機器に加えて、米宇宙軍の宇宙領域認識用光学センサーが搭載された。これは日米の準天頂衛星システム・ホステッドペイロード計画(QZSS-HP)に基づく、2基目の米国製ペイロードである。このセンサーは、MITリンカーン研究所が米宇宙軍向けに開発したSĀCHI(Situational Awareness Camera Hosted Instrument)と呼ばれるシステムだ。静止軌道およびその周辺にある人工衛星やスペースデブリなどの物体を光学的に観測する。MITリンカーン研究所の2025年版報告書によると、QZSS-HPの光学センサーは約45×31×19インチ(約114×79×48cm)、質量は136ポンド(約62kg)である。訳文にあった154ポンド(70kg)という数値とは異なるため、最新の同研究所資料に合わせた。センサーは観測データの大部分を軌道上で処理し、データ量を圧縮して地上へ送信する。観測結果は安全な通信経路を通じて、米国の宇宙監視ネットワークに取り込まれる。米宇宙軍によると、このデータはインド太平洋地域上空の地球同期軌道環境に対する米国防総省の理解を強化するために利用される。1基目のセンサーは、2025年2月2日に「みちびき6号機」とともに打ち上げられた。米宇宙軍は、この打ち上げを安全保障に焦点を当てた初の日米二国間宇宙協力事業と位置付けている。2基のペイロードは、米宇宙軍のミッション・デルタ2が運用する。ミッション・デルタ2は、米宇宙軍および米宇宙コマンドのために宇宙領域認識活動を実施する部隊である。SĀCHIという名称について、原文は日本語の「search」を意味すると説明し、訳文は「察知」に由来するとしていた。しかし、MITリンカーン研究所や米宇宙軍の公表資料では、そのような日本語由来の公式説明を確認できない。このため、語源に関する記述は削除した。■アジア上空の静止軌道が注目される理由静止軌道は赤道上空約3万5786kmに位置し、地球の自転と同じ周期で周回する衛星が、地上からほぼ同じ位置に見える軌道である。通信、気象観測、早期警戒などに利用される重要な軌道であり、正常に運用されている衛星だけでなく、使用を終えた衛星やスペースデブリも存在する。MITリンカーン研究所がSĀCHI計画を発表した2020年時点では、追跡されている約2万1000個の人工物のうち、約1500個が地球同期軌道またはその付近にあると説明されていた。現在の物体数としてではなく、発表当時の数値として扱う必要がある。衛星同士の接近や軌道変更を把握する宇宙領域認識は、衝突の回避だけでなく、各国の宇宙活動を分析し、衛星の安全を確保する上でも重要になる。米宇宙軍は、みちびきに搭載したセンサーによって、地上設備と宇宙配備型センサーから得られる観測情報を組み合わせ、インド太平洋地域における宇宙領域認識能力を強化する方針だ。QZSS-HP計画には、MITリンカーン研究所、米宇宙軍宇宙システム軍団、内閣府宇宙開発戦略推進事務局、三菱電機などが参加した。両国の担当チームは、米国製ペイロードを日本の衛星に統合するため、設計、試験、データ共有などの準備を進めてきた。ただし、公開されている日米の公式資料は、センサーの目的を静止軌道周辺の物体監視や宇宙領域認識能力の強化と説明している。特定の国の衛星だけを監視するセンサーであるとは明記していないため、「中国の衛星活動を監視するためのセンサー」と断定する表現は避けるべきである。■H3ロケットの信頼性回復と今後のミッションみちびき7号機の打ち上げは、H3ロケット8号機の失敗後としては2回目の成功となった。2026年6月にはH3ロケット6号機の30形態試験機が打ち上げに成功しており、今回が失敗後初の実用衛星打ち上げである。2025年12月のH3ロケット8号機では、第2段エンジンの第2回燃焼が正常に立ち上がらず、早期に停止した。当初の訳文は、衛星のずれによって第2段の燃料ラインが切断されたとしていたが、JAXAの原因究明資料では、衛星搭載アダプター内部で生じた損傷と、衛星やアダプターの機体からの脱落に至る過程が分析されている。単純に「燃料ラインを切断した」とまとめるのは正確ではない。H3ロケット9号機では、原因究明を踏まえて衛星搭載アダプターの製造方法などに対策が施された。JAXAは2026年7月、原因究明と対策案について、技術的な妥当性が了承されたと発表している。今回の打ち上げは天候の影響でも延期された。当初予定されていた8月7日の打ち上げは、台風13号による天候悪化が予想されたため延期された。その後、8月10日に再設定されたが、当日の気象条件が整わないとして8月11日に変更された。H3は試験機を含めて9回の打ち上げを実施し、試験機1号機と8号機の2回が失敗している。単純計算した成功率は約78%だが、試行回数がまだ9回と少ないため、25年間に50回打ち上げられたH-IIAの成功率と数字だけで直接比較する場合には注意が必要だ。三菱重工業は2026年7月29日、ispaceの新型月着陸船「ULTRA」をH3ロケットで打ち上げる輸送サービス契約を締結したと発表した。打ち上げは2028年に予定されているが、現時点での計画であり、変更される可能性がある。国産の月着陸船と国産ロケットを組み合わせる初の月面着陸ミッションとなる計画で、ispaceでは「ミッション3」と位置付けられている。■火星衛星探査計画「MMX」も準備中H3には、JAXAの火星衛星探査計画(MMX)の打ち上げも予定されている。MMXはNASA、フランス国立宇宙研究センター(CNES)、ドイツ航空宇宙センター(DLR)、欧州宇宙機関(ESA)などが参加する国際プロジェクトである。MMXは火星の衛星フォボスとダイモスを観測し、フォボスに着陸して表面のサンプルを採取した後、地球に持ち帰ることを目指している。成功すれば、世界初の火星圏からのサンプルリターンとなる。JAXAの2026年8月時点の公式情報では、打ち上げ時期は「2026年度」とされている。原文にある「2026年11月または12月」という具体的な月や、「逃せば2028年まで2年間延期」という説明は、日本の公式情報では確認できないため削除した。JAXAは、2026年度の打ち上げ、2027年度の火星周回軌道投入、2031年度の地球帰還を想定している。探査機の試験に加え、打ち上げ直後、火星圏への投入、フォボスへの着陸、サンプルを収めたカプセルの分離などを想定した運用訓練も進められている。■「みちびき」の今後みちびきは現在、GPSを補完する衛星測位システムとして利用されている。7機体制が確立すれば、日本上空から常に4機以上のみちびき衛星を利用できるようになり、他国の衛星測位システムに依存しない持続測位が可能になる。しかし、5号機の喪失によって、7号機の打ち上げ後も計画された7機体制は完成していない。内閣府は、まず7号機を数カ月程度かけて試験し、運用を開始するとともに、7機体制の早期構築を目指すとしている。さらに政府は、衛星1機が故障しても測位機能を維持できる11機体制に向けた開発を進める方針だ。11機体制の具体的な完成時期について、今回確認した内閣府の最新発表は明示していないため、「2030年代後半まで」とする原文の記述は本文から外した。みちびき7号機は、日本の測位インフラを強化する衛星であると同時に、米国の宇宙領域認識センサーを搭載する国際協力の基盤でもある。ただし今回の打ち上げは、GPS非依存の測位システム完成を意味するものではなく、その実現に向けた一段階と位置付けるのが正確だ。■注目ポイントQ&A●QZSSとは何ですか?GPSとはどう違うのですか?QZSS(準天頂衛星システム、通称「みちびき」)は、日本が運用する地域的な衛星測位システムです。現在は主にGPSを補完し、都市部や山間部などでも安定した測位を実現するために利用されています。計画された7機体制が確立すれば、日本上空から常に4機以上の衛星を利用できるようになり、みちびき単独での持続測位が可能になります。ただし、5号機を喪失しているため、7号機の打ち上げ後も7機体制は完成していません。●SĀCHIペイロードとは何ですか?なぜ監視センサーが測位衛星に搭載されているのですか?SĀCHIは、MITリンカーン研究所が米