『機動警察パトレイバー』の新作家庭用ゲームが登場する。グッドスマイルカンパニーと開発元のチャイムは、PS5およびPC(Steam)向け3Dアクションゲーム『機動警察パトレイバー the Case Files』を2026年9月17日に発売する。デジタルデラックスエディションの購入者は、9月14日から72時間のアーリーアクセスが可能となる。■家庭用ゲームとして久々の単独作品シリーズ単独の家庭用ゲームとしては、2000年に初代PlayStation向けに発売された『機動警察パトレイバー ~ゲームエディション~』以来、約26年ぶりとなる。2017年のPS4向けSFサバイバルアクション『巨影都市』にもシリーズのキャラクターやレイバーが登場したが、同作はパトレイバー単独のゲームではない。『機動警察パトレイバー the Case Files』はUnreal Engine 5で開発されている。電撃オンラインのインタビューで佐藤允紀プロデューサーが語ったところによると、メインミッションでは、1989年に放送を開始したテレビシリーズ、『機動警察パトレイバー NEW OVA』、『機動警察パトレイバー the Movie』(1989年)、『機動警察パトレイバー2 the Movie』(1993年)の名シーンを扱う。これらは同一の正史に属するというより、テレビシリーズと新OVA、劇場版で一部異なる世界設定を持つ作品群である。ゲームには、98式AV イングラム、TYPE-J9 グリフォン、AV-X0 零式など20体以上のレイバーが登場する。公式ストアによると、シミュレーターモードでは20体以上のレイバーを操作できる。■パトレイバーとは何か、そして空白期間の意味初めて本シリーズに触れる読者のために説明すると、『機動警察パトレイバー』は1988年にクリエイター集団「HEADGEAR」によって生み出されたSFメディアミックス作品だ。HEADGEARには、押井守氏、伊藤和典氏、出渕裕氏、高田明美氏、ゆうきまさみ氏が名を連ねる。レイバーと呼ばれる産業用ロボットが建設や土木の現場に普及する一方、レイバーを使った犯罪も増加した近未来の東京が舞台となる。これに対処するため、警視庁は特車二課パトロールレイバー中隊を設置し、警察用レイバーで事件に立ち向かう。宇宙での大規模な戦争よりも、警察組織の人間関係や行政、都市生活、そしてロボットの操縦を仕事とする人々の日常を描く点が、当時の多くのロボットアニメとは異なっていた。押井氏が監督を務めた劇場版第1作と第2作は、それぞれ1989年と1993年に公開され、警察機構や都市システム、戦争と平和を題材とした作品として現在も評価されている。2002年の『WXIII 機動警察パトレイバー』以降も、2016年には吉浦康裕氏が監督を務めた完全新作の短編アニメーション『機動警察パトレイバーREBOOT』が制作された。そして2026年には、出渕氏が監督、J.C.STAFFがアニメーション制作を担当する完全新作『機動警察パトレイバー EZY』の劇場公開が始まっている。『機動警察パトレイバー EZY』は全9話を3章に分けて上映する構成で、File 1は2026年5月15日に公開された。File 2は8月14日、File 3は2027年3月の公開が予定されている。『機動警察パトレイバー the Case Files』は、File 2の公開から約1カ月後に発売される。■3つのモードと2つの視点ゲームは「メインミッション」「アナザーサイドミッション」「シミュレーターモード」の3モードで構成される。メインミッションでは、プレイヤーは特車二課側のレイバーを操作し、テレビシリーズ、新OVA、劇場版第1作、劇場版第2作の名シーンを追体験する。公式情報では、特車二課第2小隊のキャラクターが登場するストーリーパートがフルボイスで収録されるとしている。アナザーサイドミッションでは視点が逆転し、特車二課と相対する側の機体を操作する。劇場版第1作に登場するAV-X0 零式のほか、劇場版第2作で重要な役割を担う攻撃ヘリコプター「ヘルハウンド」などを操作するミッションも用意される。佐藤プロデューサーは、零式やヘルハウンドをプレイヤー自身の手で動かせる体験を実現するため、アナザーサイドミッションを取り入れたと説明している。同じ事件や戦闘を特車二課とは異なる側から体験できることが、このモードの特徴となる。シミュレーターモードでは、リボルバーカノンを使った射撃訓練やレイバー同士の対戦を楽しめる。ゲーム限定カラーの白いグリフォンも登場する。対戦はオフラインのCPU戦のみを予定しており、現時点でプレイヤー同士のオンライン対戦は予定されていない。■オリジナルクリエイター陣と川井憲次氏が参加『機動警察パトレイバー the Case Files』には、シリーズのオリジナルクリエイター陣が監修として参加している。出渕裕氏がメカニック監修、伊藤和典氏が脚本監修、高田明美氏がキャラクター作画監修を担当する。佐藤プロデューサーによると、新規テキストと収録台本は伊藤氏、ゲーム内に表示されるキャラクターは高田氏、ムービー表現や登場するレイバーは出渕氏が監修した。単に名前をクレジットするだけではなく、ゲーム内の具体的な表現に関与しているという。音楽では、アニメシリーズや劇場版の楽曲を手掛けてきた川井憲次氏が参加した。本作のメインテーマ曲「the Case Files」を書き下ろしたほか、PS5パッケージ版の初回特典として、同曲を含む全30曲収録のオリジナルサウンドトラックCDが同梱される。PlayStation Storeのデジタルデラックスエディションにもオリジナルサウンドトラックが付属するが、こちらはCDではなくデジタルコンテンツとして提供される。■開発元とゲームの立ち位置本作の開発を担当するチャイムは、アニメや漫画を原作とするゲームを複数手掛けてきた国内のゲーム開発会社だ。代表作の一つである『メイドインアビス 闇を目指した連星』(2022年)は、Metacriticで63点、OpenCriticで57点を記録した。Steamでのユーザーレビューは「やや好評」となっており、批評家による評価よりもユーザーからの評価が高い。原作ファンが重視するキャラクターや世界観の再現が、一般的なゲーム評価とは異なる形で受け入れられた可能性がある。『機動警察パトレイバー the Case Files』も、有力な原作とオリジナルスタッフの監修を強みにする一方、発売前の段階ではアクションゲームとしての完成度を判断できない。本作独自のゲーム性を期待する場合と、パトレイバーの名シーンやレイバーの操縦体験を期待する場合では、評価の基準が異なる可能性がある。ただし、街中の車両などに被害を与えると減点される、いわゆる「始末書」を意識した仕組みも導入されている。単に敵を破壊するだけでなく、警察用レイバーを運用する作品ならではの制約をゲームに反映しようとしている点は注目される。■エディションと予約の詳細PS5向けパッケージ通常版の価格は6,380円で、初回特典として全30曲収録のオリジナルサウンドトラックCDが同梱される。原文によると、日本国外からはPlayasiaなどを通じて購入できる。グッドスマイルカンパニー公式ショップ限定のPS5向けパッケージ特装版は11,220円で、ゲーム本編、全30曲収録のサウンドトラックCD、限定プラモデル「MODEROID グリフォン the Case Files カラーVer.」が付属する。この特装版は受注生産かつ数量限定で、1次受注終了後の2026年7月に2次受注が行われた。日本のPlayStation Storeでは、通常版が4,400円、デジタルデラックスエディションが5,500円で予約を受け付けている。PS Plus加入者は、発売前まで10%引きの通常版3,960円、デジタルデラックスエディション4,950円で購入できる。米国PlayStation Storeでは、通常版が34.99ドル(約5,500円、1ドル=158円換算)、デジタルデラックスエディションが39.99ドル(約6,300円)となっている。実際の円換算額は為替レートや決済時点によって変動する。本作は日本語、英語、韓国語、繁体字中国語、簡体字中国語のテキストに対応し、音声は日本語となる。■新作アニメやプラモデルと連動するシリーズ展開『機動警察パトレイバー the Case Files』は、シリーズ関連企画が相次ぐ時期に発売される。2026年には完全新作アニメ『機動警察パトレイバー EZY』が全3章構成で劇場公開されるほか、複数のメーカーからプラモデルや関連商品が展開されている。グッドスマイルカンパニーは「MODEROID」ブランドでパトレイバーシリーズの商品を展開しており、本作の特装版にもゲーム限定カラーのグリフォンが付属する。一方、「RG」ブランドのイングラム・プラスはBANDAI SPIRITSの商品であり、グッドスマイルカンパニーの商品ラインではない。アニメ、ゲーム、複数メーカーによるホビー商品が同じ時期に展開され、結果としてシリーズ全体の再始動を後押しする形となっている。英語圏ではこれまで比較的ニッチな存在だったパトレイバーが、新作アニメやゲームを通じて新たなファンを獲得できるかも焦点となる。本作はシリーズ特有の地に足の着いたメカ描写と、警察組織や都市の日常に根ざした世界観を、現代の3Dアクションゲームとしてどのように再現するかが問われる作品になりそうだ。■注目ポイントQ&A●『機動警察パトレイバー the Case Files』の発売日はいつですか?2026年9月17日にPlayStation 5およびPC(Steam)向けに発売予定です。PlayStation Storeでデジタルデラックスエディションを購入した場合は、2026年9月14日から72時間のアーリーアクセスが可能です。●『機動警察パトレイバー the Case Files』の価格はいくらですか?日本のPlayStation Storeでは、通常版が4,400円、デジタルデラックスエディションが5,500円です。PS Plus加入者向けには、発売前まで10%割引が適用されます。PS5パッケージ通常版は6,380円です。限定プラモデルとサウンドトラックCDが付属するパッケージ特装版は11,220円で、グッドスマイルカンパニー公式ショップ限定商品です。米国PlayStation Storeでは、通常版が34.99ドル、デジタルデラックスエディションが39.99ドルです。●『機動警察パトレイバー the Case Files』はパトレイバーのオリジナルクリエイターが制作しているのですか?開発はチャイムが担当しています。HEADGEARのオリジナルメンバーは監修として参加しており、出渕裕氏がメカニック監修、伊藤和典氏が脚本監修、高田明美氏がキャラクター作画監修を務めます。また、川井憲次氏がメインテーマ曲「the Case Files」を含む本作の楽曲を手掛けています。●ゲームにはパトレイバーのアニメのどの内容が含まれていますか?佐藤允紀プロデューサーによると、メインミッションではテレビシリーズ、『機動警察パトレイバー NEW OVA』、『機動警察パトレイバー the Movie』、『機動警察パトレイバー2 the Movie』の名シーンを扱います。アナザーサイドミッションでは、AV-X0 零式や攻撃ヘリコプターのヘルハウンドなど、特車二課と相対する側の機体を操作できます。シミュレーターモードでは、20体以上のレイバーが操作可能です。元記事: Patlabor: The Case Files Hits PS5 and PC on September 17, Ending 20-Year Console Hiatus