バンダイナムコエンターテインメントは8月1日、「スーパーロボット大戦」シリーズ35周年記念生配信で『第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇 Remastered』の制作決定を発表した。戦闘アニメーションの高解像度化、UIのブラッシュアップ、複数言語への対応が明らかになった一方、対応機種や発売時期、具体的な対応言語はまだ公表されていない。日本国外では正式に購入できなかった旧作が、公式に多言語対応することになる。■シリーズ初となる旧作の公式リマスターバンダイナムコエンターテインメントは8月1日、「スーパーロボット大戦」シリーズ35周年記念生配信で『第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇 Remastered』の制作決定を発表した。シリーズ公式Xアカウント「@srw_game」でも告知されており、シリーズの過去作品をリマスターするのは今回が初となる。同シリーズでは過去に初代『スーパーロボット大戦』のHDリメイク版が発売された例はあるが、旧作をリマスターする企画としては『破界篇』が初めてだ。35年にわたり数多くの作品を展開してきたシリーズにとって、過去作を現行環境に向けて再構築する新たな試みとなる。発表は、日本時間8月1日午後8時に始まった35周年記念生配信の中で行われた。番組のMCは吉田尚記氏が務め、お笑いコンビ「がっつきたいか」、『スーパーロボット大戦Y』プロデューサーの戸澗宏太氏、『スーパーロボット大戦DD』プロデューサーのマツモトPらが出演した。JAM Projectはゲストアーティストとしてライブパフォーマンスやトークに参加した。『破界篇』リマスターは事前公開された番組スケジュールに明記されておらず、サプライズ発表となった。■明らかになった改善点バンダイナムコエンターテインメントが明らかにした主な要素は、戦闘アニメーションの高解像度化、ウィンドウなどUI周りのブラッシュアップ、複数言語への対応だ。UIは『スーパーロボット大戦Y』のエンジンをベースに調整されている。一方、対応機種、発売時期、具体的な対応言語は発表されておらず、現在は鋭意開発中とされている。オリジナル版はPlayStation Portable向けに作られており、PSPの画面解像度は480×272ピクセルだった。過去作のリマスターについては、素材に関する事情から実現が難しかったものの、過去作品を遊びたいというファンの要望などを受け、課題を乗り越えて開発に至ったと説明されている。高解像度化にどのような技術や制作手法が使われるのかは、現時点では明らかになっていない。複数言語への対応についても、対象となる言語はまだ発表されていない。近年の『スーパーロボット大戦30』(2021年)や『スーパーロボット大戦Y』(2025年)では、メニュー、会話、シナリオなどのテキストを複数言語に翻訳し、日本語音声を維持する方式が採られている。『破界篇 Remastered』も同様の形式になる可能性はあるが、英語、繁体字中国語、韓国語など、どの言語が収録されるかは未確認だ。英語音声の収録についても発表されていない。■なぜ『破界篇』なのか『第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇』は、2011年4月14日にPlayStation Portable向けに発売されたシミュレーションRPGで、2部作となる『第2次スーパーロボット大戦Z』の前編にあたる。後編の『第2次スーパーロボット大戦Z 再世篇』は2012年4月5日に発売された。『破界篇』は当時、シリーズの中でも特に人気の高い作品だったとされる。『コードギアス 反逆のルルーシュ』『機動戦士ガンダム00 1st season』『天元突破グレンラガン』『装甲騎兵ボトムズ』『地球防衛企業ダイ・ガード』などが新たに参戦し、『マクロスF』『OVERMAN キングゲイナー』『THE ビッグオー』『創聖のアクエリオン』『真マジンガー 衝撃!Z編』など、多数のロボットアニメ作品が登場した。物語は全50話で構成され、ルート分岐を含めると計86のシナリオが用意されている。借金を抱えたテストパイロットの主人公クロウ・ブルーストが、多数の作品の登場人物によって編成される部隊「ZEXIS」に加わり、次元を越えた戦いに巻き込まれていく。生配信では、オリジナル版を遊べる環境が限られていることや、直近の商品アンケートで『第2次スーパーロボット大戦Z』シリーズの人気が高かったことが、今回の選定理由として説明された。シリーズ35周年という節目も、過去作を新たな環境へ展開する機会となった。バンダイナムコエンターテインメントは35周年に関連した企画をすでに進めている。2026年4月22日には、『スーパーロボット大戦Y』向けの有料DLC「エキスパンションパック」を配信した。6作品から8機のプレイアブル機体を追加し、最高難度モード「MASTER」なども収録している。■日本国外のファンにとっての意味このシリーズは長く、日本を中心に展開されてきた。多数のロボットアニメ作品を1本のゲームに登場させるには、それぞれの作品について販売地域ごとの権利処理が必要になる。その複雑さが、海外展開の大きな障壁になってきた。オリジナルキャラクターのみが登場する「OG」シリーズでは以前から英語版が発売されていたが、版権作品が共演する主要シリーズの本格的な海外展開は、2017年の『スーパーロボット大戦V』が大きな転機となった。同作はアジア地域で英語、繁体字中国語、韓国語に対応した。2021年の『スーパーロボット大戦30』では、欧米を含む地域でSteam版が展開された。2025年8月発売の『スーパーロボット大戦Y』もその流れを引き継ぎ、PlayStation 5、Nintendo Switch、PC向けに発売され、英語、繁体字中国語、韓国語などのテキストに対応した。ただし、これらは発売時点で海外展開を見据えて制作された新作だった。『破界篇 Remastered』は、国際展開が本格化する前に発売された旧作を、複数言語に対応させて送り出す初のリマスターとなる。対応地域は未発表だが、日本国外のプレイヤーが公式版を遊べる可能性が生まれた点は大きい。■その間を埋めてきたファン翻訳『破界篇』が日本で発売されてから今回の発表までの15年間、日本語を読めないプレイヤーが本作を遊ぶ手段として、ファンが制作した非公式の翻訳パッチが利用されてきた。コミュニティプロジェクト「z2hackman」によるv0.8.2は2026年7月2日に公開され、ストーリーと戦闘会話の英訳、英語化したUIグラフィック、各話のあらすじ、可変幅フォントへの対応などを含むとされている。記事公開時点では、同パッチは公開されていた。家庭用ゲーム向けの翻訳パッチは一般に、利用者が用意した原作ゲームのデータへ適用する差分データとして配布される。もっとも、著作権法上の評価は国や配布内容によって異なり、一律に合法または違法と判断できるものではない。公式ローカライズや移植版が発表された後、ファン翻訳プロジェクトが公開を終了する例もある。z2hackmanが今回の発表を受けて公開方針を変更するかは、記事公開時点では明らかになっていない。■なお残る不明点バンダイナムコエンターテインメントは『破界篇 Remastered』の対応機種を発表していない。『スーパーロボット大戦Y』はPlayStation 5、Nintendo Switch、PC向けに発売されたが、『破界篇 Remastered』も同じ機種構成になるとは限らない。正式発表を待つ必要がある。2部作の後編『第2次スーパーロボット大戦Z 再世篇』が同様にリマスターされるかも未定だ。『破界篇』と『再世篇』は物語が連続しているが、今回の配信では『再世篇』のリマスターについて発表されなかった。同じZシリーズの続編にあたる『第3次スーパーロボット大戦Z 時獄篇』(2014年)と『第3次スーパーロボット大戦Z 天獄篇』(2015年)の再展開についても発表はない。『破界篇 Remastered』の反響や販売実績が、今後の旧作リマスター展開を判断する材料になる可能性はある。■注目ポイントQ&A●『第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇 Remastered』の対応機種は?バンダイナムコエンターテインメントは対応機種を発表していません。現在は鋭意開発中とされており、対応機種と発売時期のいずれも未定です。『スーパーロボット大戦Y』と同じ機種で発売される可能性はありますが、正式な情報ではありません。●『第2次スーパーロボット大戦Z 再世篇』もリマスターされますか?今回の35周年記念生配信では、『再世篇』に関する発表はありませんでした。『破界篇』と『再世篇』は連続した物語ですが、『再世篇』が開発中なのか、将来発表されるのかは不明です。●複数言語への対応は英語音声も含みますか?具体的な対応言語や音声仕様は発表されていません。近年のシリーズ作品では、英語、繁体字中国語、韓国語などのテキストを収録し、音声は日本語のままとする方式が採られています。『破界篇 Remastered』も同様になる可能性はありますが、現時点では確定していません。英語音声の収録も発表されていません。●ファン翻訳版は何で、今も入手できますか?原作PSP版向けの非公式ファン翻訳プロジェクト「z2hackman」は、2026年7月2日にv0.8.2を公開し、ストーリーや戦闘会話の英訳、英語化したUIグラフィック、可変幅フォント対応などを収録しているとしています。記事公開時点ではパッチが公開されていましたが、公式リマスターの発表を受けて今後も公開が続くかは分かっていません。元記事: Super Robot Wars Z Hakai-hen Remastered Confirmed With Multi-Language Support