None
JA
相場展望 7月30日号 米国株:原油安が株式相場を支えるも、半導体株は売り・AIは過剰投資で売り 日本株:「AI・半導体相場」の熱狂に踊る ⇒ 頭を冷やす段階に転換
[]
財経新聞:最新ニュースフィード
■Ⅰ.米国株式市場●1.NYダウの推移●1)7/27、NYダウ+262ドル高、52,210ドル (日経新聞)・7/27の米国株式市場でNYダウは前週末比+0.50%高と、続伸して終えた。イラン情勢悪化への懸念がやや後退したことで、投資家の運用リスクを取る姿勢が強まった。もっとも、人工知能(AI)インフラの資金調達を巡る警戒から半導体関連株には売りが優勢となり、NYダウの上値を抑えた。・米国紙ニューヨーク・タイムズは7/25、トランプ米国大統領は検討してきたイランへの大規模攻撃を当面見送る方針だと報じた。ロイター通信は7/26、イラン高官が米国の攻撃停止が続く間はイランも攻撃を控えると語ったと伝えた。・米国とイランによる攻撃の応酬が一服したことで、7/27の米国原油先物市場で期近9月物は一時1バレル82ドルちょうど近辺と、前週末比▲8%安を付けた。資源高が個人消費や企業業績を圧迫するとの懸念が薄れて株式の買いを誘い、NYダウは一時+660ドル高となる場面があった。・もっとも、NYダウは伸び悩んだ。エヌビディアが一時▲5%あまり下落した。米国オープンAIに対して、約2,500億ドルの資金保証をすることで協議していると、米国紙ウォール・ストリートが7/26に報じた。AIデータセンターをリース契約で利用できるよう資金面で応援するという。資金調達や過剰投資を巡る懸念から売りが出た。・NYダウの構成銘柄ではないが、アプライドマテリアルズやラムリサーチなど半導体製造装置株の売りも目立った。米国ニュースサイトのジ・インフォメーションが7/27、中国の政府系企業が深紫外線(DUV)露光装置の製造を始めたと報じた。露光装置を手掛けるオランダのASMLの逆風になるとして同社株が売られ、他の装置銘柄にも売りが波及した。・主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体(SOX)は▲2.2%下落した。市場では「投資家はAI関連の設備投資や循環的な資金調達に疑問を抱き始めており、半導体関連には利益確定を目的とした売りが当面続きやすい」との声があった。・その他の構成銘柄では、セールスフォースやアメリカン・エキスプレス、スリーエム(3M)が上昇した。アルファベットやマイクロソフト、アップルも買われた。一方、シェブロンやキャタピラー、ゴールドマン・サックスは下落した。・ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は前週末比▲0.17%安と、4日続落した。サンディスクやシーゲート・テクノロジー、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が下落した。マイクロン・テクノロジーとマーベル・テクノロジーにも売りが出た。●2)7/28、NYダウ+537ドル高、52,747ドル (日経新聞)・7/28の米国株式市場でNYダウは前日比+1.02%高と、3日続伸して終えた。市場予想を上回る決算を発表した銘柄を中心に買いが入った。原油価格の下落も株式市場の投資家心理を支えた。・シャーウィン・ウィリアムズやコカ・コーラの上げが目立った。ともに同日発表した2026年4~6月期決算で売上高などが市場予想を上回り、通期の見通しを引上げた。売上高が市場予想を上回ったボーイングも買われた。・米国とイランが攻撃の応酬を停止し、対話を進める姿勢を示している。中東情勢を巡る過度な警戒が後退しており、米国原油先物市場ではWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近9月物が1バレル=79ドル台と前日比▲約4%安で終えた。・7/28にはイスラエルのメディアがパキスタンやエジプト、カタールなどの仲介国が「米国・イランの戦闘終結に向けた覚書を近く復活させることができるとみている」などと報じた。ホルムズ海峡を巡る米国・イランの溝を埋めるための仲介国の提案をイランとオマーンが承認し、トランプ米国大統領の回答を待っているという。・一方、半導体など人工知能(AI)インフラ関連株への売りは続いた。中国のAI開発企業や半導体関連企業が台頭していることに加え、米国企業のAI過剰投資への懸念が根強く、7/28は日本・韓国の株式市場でも関連株が急落した。・米国市場では半導体のマイクロン・テクノロジーやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)、半導体製造装置のラムリサーチなどの下げが目立った。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は▲4%あまり下落した。・その他のNYダウの構成銘柄では、IBMやセールスフォース、アムジェンが高い。ユナイテッドヘルスなどのディフェンシブ株や、ホーム・デポなど消費関連銘柄も上昇した。アップルは時価総額が一時5兆ドルを超えた。一方、キャタピラーやゴールドマン・サックス、シェブロンが下げた。・ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は前日比▲0.22%安と、5日続落した。4月下旬以来、約3ヵ月ぶりの安値で終えた。サンディスクやウエスタン・デジタルといったメモリー・ストレージ株の下げが大きかった。半面、ソフトウェアに買いが入った。●3)7/29、NYダウ▲1,153ドル安、51,594ドル (日経新聞)・7/29の米国株式市場でNYダウは前日比▲2.18%安と、4営業日ぶりに大幅下落した。6/18以来の安値となった。下げ幅は2025年4月4日以来の大きさだった。米国とイランの衝突激化に加え、米国連邦準備理事会(FRB)の金融政策の不透明感から株売りが広がった。・米国中央軍は7/28、イランが中東に展開する米国軍施設に向けて発射した複数のミサイルを迎撃したと発表した。7/29にはトランプ米国大統領が「イランを激しく攻撃する」と述べたと米国FOXニュースが伝えた。7/29の米国原油先物市場でWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)が大幅に上昇し、株価の重荷となった。・半導体関連銘柄への売りも続いた。NYダウの構成銘柄ではないが、半導体製造装置のKLAが▲10.8%下落した。7/28に発表した2026年4~6月期決算は市場予想を上回ったものの、収益見通しが物足りなかったとの受け止めが広がった。他の半導体関連株が軒並み売られ、主要な関連株からなるフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は▲5.3%安だった。・NYダウは下げ幅を縮める場面もあった。FRBは7/29の米国連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を3.5~3.75%に据え置くことを決めた。インフレ懸念を背景に利上げするとの観測が一部にあり、市場では「金利据え置きが、株式を買い直す動きを誘った」との指摘があった。・FOMCの採決では3人の地区連銀総裁が利上げを主張し、据え置きに反対した。ウォーシュFRB議長は記者会見で「必要かつ適切な場合にはためらずに行動する」と述べたが、政策運営の方針については明確な発言を避けた。金融政策運営を巡る不透明感が拭えず、株式の売りが膨らんだ面がある。・NYダウの構成銘柄では、アナリストが投資判断を引き下げたキャタピラーの下げが目立った。ゴールドマン・サックスやエヌビディア、ボーイングが売られた。7/29朝に四半期決算を発表したプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)も安かった。半面、セールスフォースとシェブロンが上昇した。・ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は、前日比▲1.74%安と6日続落した。4月下旬以来の安値だった。6日続落は2024年4月以来。マイクロン・テクノロジーやアプライドマテリアルズなど半導体関連株、スペースXが売られた。・主要銘柄で構成するナスダック100株価指数は前日比▲2.05%安で終えた。6/2に付けた最高値3万0,660からの下落率は調整局面入りの目安とされる▲10%を超えた。●2.米国株 : 原油安が株式相場を支えるも、半導体株は売り・AI過剰投資で売り●1)原油安が株式相場を支えるも、半導体株は売り⑴利上げ警戒・9月利上げ確率が7/27 急上昇・7月は金利据え置き(FRB)を決定、ただし地区連銀総裁3人が利上げを主張⑵原油7/27に低下・WTI原油先物は7/27、79.64ドル/バレルに低下・WTI原油先物の推移7/23 92.68ドル7/27 79.647/29 82.1⑶米国・イランの戦争停止が続く⇒米国がイラン空爆を見送り・イランも報復停止・ホルムズ海峡の航行再開を目指して協議・WTI原油先物は7/27に低下・NYダウは7/27に朝方+600ドル高⇒終値+262ドルへ上げ幅縮小⇒市場の勢い弱い・親イラン武装組織フーシ派による紅海での船舶への攻撃は続く・ただし、イランの駐ヨルダン米国軍基地へのミサイル攻撃で、トランプ氏が7/29警告⑷半導体株も売られる、AI関連株は過剰投資を指摘➀エヌビディアの信用リスクが7/27に急浮上し一時▲5%安、相場の重荷に・エヌビディア株価、5/14最高値から続落中5/14 235ドル7/29 190下落幅 ▲ 45ドル下落率 ▲19.1%②好決算発表も7/27、インテル売りで▲8%安、サンディスク▲11%安③サンディスク株価は下げ止まらず、インテルも下落続くサンディスク インテル6/25 2,335ドル 最高値 6/30 139ドル 最高値7/29 1,015 7/29 81下落幅 ▲1,320ドル 下落幅 ▲58ドル下落率 ▲56.5% 下落率 ▲41.7%④中国の政府系企業が深紫外線(DUV)露光装置の製造を始めたことで、半導体製造装置株が売られた・オランダのASML、米国のラムリサーチ、アプライドマテリアルズなど⑸ハイテク企業の好決算にも見極めの動き●2)スペースXの株価は公募価格割れ ⇒ 相場全体への懸念につながる⑴スペースXの上場来の株価推移・6/12 160.95ドル 新規上場、公募価格135ドル比で+19.2%高6/15 190.50 前日比+19.6%高6/16 201.80 +4.8%高、株価上昇の勢い弱まる6/17 191.82 ▲ 4.9%安6/18 185.00 ▲ 3.5%安7/07 149.47 ナスダック100に採用日、前日比▲6.8%安7/17 123.99 早くも公募価格135ドル割れ7/22 115.267/23 118.247/24 115.077/27 113.507/28 116.417/29 112.55 高値から▲44.2%安、公募価格から▲16.6%安●3)懸念材料が浮上➀米国・イランの戦闘、さらに数ヵ月続く可能性・イランによるヨルダンの米国軍基地攻撃を受け、トランプ氏は7/9イランに警告。②インフレ上昇の可能性・原油価格反発に連れ、米国10年債利回りは4.63%まで上昇。・FRBは金利引上げでインフレ抑制の考えが増える。↓③7/29、米国株は大幅下落NYダウ ▲1,153ドル安 ▲2.18%安ナスダック総合 ▲ 433 安 ▲1.74%安S&P500種 ▲ 112 安 ▲1.52%安半導体株(SOX) ▲ 588 安 ▲6.33%安■Ⅱ.中国株式市場●1.上海総合指数の推移●1)7/27、上海総合+44高、3,858 (亜州リサーチ)・週明け7/27の中国本土マーケットで上海総合指数は、投資家のリスク回避スタンスが後退する流れとなり、前営業日比で+1.15%高と反発した。・米国・イランの和平交渉再開が期待されるなか、高騰していた原油相場は値下がりした。外電は7/24、仲介国パキスタンが米国とイランの戦闘終結に向けた協議の再開を模索していると報道した。・そうしたなかで、米国メディアは7/25、トランプ米国大統領が7/24にイランに対する新たな攻撃を行わないよう米国軍に命じたと報じられた。一方、イランのアクラミニア陸軍報道官は7/26、米国軍による攻撃停止を受け、報復作戦を休止したと発表した。・7/24のNY商品取引所では、WTI原油先物が前日比▲3.1%安と89.31米国ドル/バレルと反落し、日本時間7/27早朝の取引では、一時83米国ドル台まで低下した。・中国政府の政策に対する期待感も根強い。月例の中国共産党中央政治局会議は週内に開催される予定だ。7月の同会