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米マイクロソフトの好決算を読み解く―Azure年商1000億ドル突破とCopilot有料シート3000万の実像
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財経新聞:最新ニュースフィード
米マイクロソフトは29日夕、2026会計年度第4四半期(4-6月期)の決算を発表し、四半期売上高が900億ドル(約14兆7600億円)に達した。Azureクラウドプラットフォームの年間売上高が初めて1000億ドル(約16兆4000億円)を突破したほか、Microsoft 365 Copilotは1四半期で有料シートを約1000万増やし、総数が3000万を超えた。市場取引終了後に発表された決算は、ほぼすべての主要指標でアナリスト予想を上回った。数年にわたり数十億ドル規模で進めてきたAIインフラ投資が、実際の商業的成果を生み出していることをこれまでで最も明確に示す内容である。一方、その成果を維持するための資本支出は、同社が単一四半期に生み出すフリーキャッシュフローを上回る水準に達している。■Copilotの有料シート数が2000万から3000万へ急増CNBCの決算報道によると、Microsoft 365 Copilotの有料シート数が3000万に達したことは、商業化で苦戦してきた同製品の経緯を追ってきた人々にとって、水曜日の決算で最も重要なデータポイントである。4月時点で、Copilotの有料シート数は2000万だった。これ自体がそれ以前の四半期からの明確な伸びを示しており、追加されたシート数は前年同期に比べて250%多かった。4月から6月までの四半期に総数が3000万へ増えたことは、マイクロソフトが同製品の歴史上最も速い四半期ペースでCopilotの有料シートを増やしたことを意味する。サティア・ナデラCEOは決算発表後のアナリスト向け電話会議で、数百社の法人顧客が、マイクロソフトの上位生産性ソフトウェアパッケージ「E7」を数百万シート購入したと述べた。この数字が発表されたのは、The Decoderが7月3日に最初に報じた社内メモのリークから3週間後である。そのメモによると、当時、マイクロソフトの法人向けMicrosoft 365顧客4億5000万のうち、Copilotに料金を支払っていたのは4.5%未満で、そのうち毎週利用していたのは20~30%にすぎなかった。エグゼクティブバイスプレジデントのジェイコブ・アンドレウ氏はメモの中で、同製品は「存在する権利を勝ち取る」必要があると表現していた。水曜日に発表されたシート数は、Copilotがそのための最初の大きな一歩を踏み出した可能性を示している。ただし、注意すべき点がある。シート数は計上済みの売上高と同じではない。入手可能な市場データによると、競合製品からの乗り換えを狙う法人向けCopilot契約では、大幅な割引が適用された事例がある。3000万という数字は契約された有料ライセンスの数であり、必ずしも定価で販売されたライセンスの数ではない。また、導入されたシートのうち、実際に毎週利用されるシートの割合も未解明のままである。マイクロソフトがシート数と併せて、1シート当たりの平均売上高や週間アクティブ利用率を開示するまでは、この数字が示すのは商業ファネルの入り口の規模にすぎず、そこから実際にどれほどの売上高が生まれているかまでは確認できない。AIコーディングアシスタントのGitHub Copilotは総ユーザー数5000万に達した。マイクロソフトによると、現在、GitHub上のプルリクエストの3件に1件で同ツールが使われているという。コンプライアンス製品のMicrosoft Purviewは、この四半期に150億回を超えるCopilotとのやり取りを監査した。前年同期比で約360%増えたこの数字は、法人導入の規模と、それを取り巻く監視インフラの構築状況の両方を示している。■Azureが1000億ドルを突破:このマイルストーンが意味するもの2026会計年度第4四半期におけるAzureの成長率は前年同期比43%となり、前四半期の40%から加速した。約40%というアナリストのコンセンサス予想を上回り、これを下回れば株価下落がほぼ確実とアナリストがみていた約36%という非公式な下限も余裕をもって上回った。さらに重要なのは、Azureの2026会計年度通期の売上高が前年比41%増となり、初めて1000億ドル(約16兆4000億円)を突破したことだ。Azureを擁するインテリジェントクラウド部門の四半期売上高は、前年同期比31.6%増の393億1000万ドル(約6兆4468億円)となり、StreetAccountのコンセンサス予想381億6000万ドルを上回った。AIワークロードは、この成長を支える要因として重要性を増している。マイクロソフトのAI事業は、第3四半期時点で年間売上高換算370億ドル(約6兆680億円)に達し、前年同期比123%増となっていた。この規模のエンタープライズソフトウェア企業が手がける事業の中でも、特に成長の速い分野の一つである。2027会計年度第1四半期について、エイミー・フッドCFOは、為替変動の影響を除いたAzureの成長率を45%と予測した。StreetAccountのコンセンサス予想41.4%だけでなく、第4四半期の実績である43%も上回る。経営陣が成長の加速はピークに達したのではなく、今後も続くと考えていることを示す見通しである。■自社開発AIはマイクロソフトのコスト構造をどう変えたかマイクロソフトによる独自のMAIモデルへの投資が利益率に表れ始めるかどうかは、ウォール街が5月以降注目してきた問題である。水曜日に発表された四半期決算は、この問いに部分的な答えを示した。MAIによるコスト削減の技術的な仕組みは、理解しておく価値がある。マイクロソフトの主力推論モデルであるMAI-Thinking-1は、スパース型のMixture of Experts、略してMoEアーキテクチャを採用している。合計で約1兆個のパラメータを持つが、1回の推論で有効になるのは約350億個だけである。ゲーティングネットワークが、入力されたリクエストを、それぞれの処理に最も適した特定のサブネットワークへ振り分ける。総パラメータ数が1兆個のモデルを、350億パラメータ級の計算コストで動かせるという構造が、同社のコスト削減効果を支えている。こうした仕組みは、すでに本番環境へ導入されている。MAI-Image-2.5-ProはBing Image Creatorをエンドツーエンドで支えており、PowerPointではOpenAIのGPT-Image-2と比べてGPUコストを最大84%削減している。Dynamics 365 Contact Centerに導入されたMAI-Voice-2-Flashは、置き換え前のOpenAIモデルと比べてGPUコストを最大89%削減した。OneDriveでは、MAIへの切り替え後、保存率が26%上昇し、P95レイテンシが約25%低下したと報告されている。こうしたコスト削減が第4四半期の粗利益率にどの程度反映されたかは、現在開示されている情報だけでは正確に計算できない。同四半期のマイクロソフトの粗利益率は67%で、事業構成の変化とAIインフラ支出により前年同期から低下した。MAIモデルへの置き換えによるコスト削減だけでは、資本支出がもたらす利益率への圧力を完全には相殺できなかったことになる。第4四半期の決算が初めて示したのは、自社モデル戦略が単なるロードマップ上の構想ではなく、測定可能なコスト差を生み出す本番稼働システムになっているという点である。■Azureの成長はAmazonやGoogleと比べてどうかAzureは2026会計年度第4四半期に43%成長し、第3四半期の40%から加速した。Google Cloudは直近の四半期に82%の売上高成長を記録し、Amazon Web Services(AWS)は2026年第1四半期に28%成長した。ただし、市場シェアと成長率は、それぞれ異なる側面を示す指標である。AWSは世界のクラウドインフラ支出で約30%の市場シェアを持ち、業界で最も幅広いサービス群をそろえている。Azureのシェアは約24%で、Microsoft 365や法人向けソフトウェアとの統合がその地位を支えている。Google Cloudのシェアは約11~13%だが、TPUベースのAIインフラとGeminiモデルとの統合に支えられ、数四半期連続で最も成長率の高いハイパースケーラーとなっている。Azureの43%という成長率は、マイクロソフトの法人向けソフトウェアによる囲い込みがもたらす、特有の構造的優位性を反映している。組織がすでにExchange、SharePoint、Teams、GitHubをマイクロソフト経由で運用している場合、AzureのAIワークロードを追加する方が、競合クラウドへ移行するよりも切り替えに伴う摩擦が少ない。前年同期比84%増の6780億ドル(約111兆1920億円)に達した法人向け残存履行義務、いわゆる商業RPOは、この顧客基盤の定着度を最も定量的に示す数字である。これは契約済みだが、まだ売上高として計上されていない金額であり、マイクロソフトの年間売上高全体である3318億ドルの約2倍に達している。■資本支出が初めてフリーキャッシュフローを上回る水曜日の決算発表を前に、投資家は売上高と同じくらい資本支出に注目していたと言える。それには理由がある。第4四半期にマイクロソフトは、有形固定資産に358億ドル(約5兆8712億円)を投じた。前年同期の170億8000万ドルの2倍を超える。一方、営業キャッシュフロー554億ドルからこれらの追加投資を差し引いたフリーキャッシュフローは、約196億ドル(約3兆2144億円)だった。四半期の資本支出がフリーキャッシュフローを上回るのは、AIインフラの大規模構築が始まるよりもずっと前以来、初めてである。2026会計年度通期の資本支出は約1159億5000万ドル(約19兆158億円)となり、2025会計年度の645億5000万ドルのほぼ2倍に達した。モルガン・スタンレーのアナリストは5月のリポートで、現在の投資ペースが続けば、2027年の資本支出が2620億ドルに達する可能性があると予測した。エイミー・フッドCFOはアナリストに対し、2026年暦年の資本支出計画は従来のガイダンスに沿っていると説明した。特定のファイナンスリースをオペレーティングリースへ再分類した結果、計画額は約1750億ドルに調整されている。また、同社は2027会計年度もキャッシュフローがプラスになると予想している。6780億ドルの商業RPOは、フリーキャッシュフローへの懸念に対するフッド氏の最も直接的な反論である。この数字は契約済みの将来の売上高を表しており、過去と同様のペースで計上されれば、時間の経過とともにキャッシュ創出がインフラ投資に追いつくことになる。Stifelのアナリスト、ブラッド・レバック氏は、2027会計年度のコンセンサス予想が「楽観的すぎる」こととAzureの粗利益率低下を理由に、2月にマイクロソフト株の投資判断を「ホールド」に引き下げていた。水曜日の数字には、同氏にとって安心材料と課題の両方がある。Azureの成長加速は安心材料だが、粗利益率の低下は依然として課題である。■部門別の内訳Microsoft 365、LinkedIn、Dynamics 365を含む「プロダクティビティ&ビジネスプロセス」部門の売上高は、前年同期比14.3%増の378億5000万ドル(約6兆2074億円)となり、コンセンサス予想の371億9000万ドルを上回った。Microsoft 365の法人向け売上高は報告ベースで14%増加した。LinkedInの売上高は12%増加した。Dynamics 365は13%成長したが、第3四半期の22%からは減速した。Azureを擁する「インテリジェントクラウド」部門の売上高は、前年同期比31.6%増の393億1000万ドル(約6兆4468億円)となり、StreetAccountのコンセ